ポスドク 留学

ポスドク海外留学は30代前半が多い

「ポスドク留学」というと、普通は「海外留学」を指し、国内留学のことはあまり言いません。
海外留学とは言っても、一般的な語学留学と違って研究留学であり、研究成果を挙げたり、新しい研究手法を身に付けるのが第一目的であり、英語などの語学力向上が主目的ではありません。
とはいうものの、研究の世界では英語で論文を書き、国際学会などでは英語でディスカッションするのが普通なので、英語の語学力向上も重要な役割を占める場合もあります。

 

しかし、数年間海外で研究生活を送っても、ポスドクの英語力の向上は思ったほどではなかった、という自己評価が結構多いです。
日常会話は問題ない、仕事での英会話も、さほど困らない程度にはできるようになった、プレゼンテーションもまあ曲がりなりにも出来る、でも電話は苦手、込み入った議論も難しい、洋画は字幕なしでは相変わらずストーリーを追えない、というレベルでしょうか。

 

海外に研究留学するポスドクの渡航先としては、アメリカが最も多く、カナダ・ヨーロッパ各国・オーストラリア・シンガポールなどが挙げられます。

 

ポスドクでの海外留学の年齢は、アンケートによると、30代前半が多く、いわゆるストレートで学部→修士→博士のコースで学位を得たポスドク(27,8歳)は意外に少数派です。
これは、海外留学するポスドクの多くが医学部出身者であり、留学開始年齢が遅くなる理由であるかもしれません。

 

ポスドクで海外留学する場合、ポスドク後の進路として大きく二つに分かれます。
一つは日本に帰国してPIのポジションを得る、もしくは、日本に残してきた籍に戻る。
もう一つは留学先や他国でPIのポジションを狙うという選択肢です。

 

かつては海外での研究留学の経験はステータスの一つでもありました。
しかし、日本の研究のレベルが上がったことや、日本国内でのPIのポジションの絶対数に比べて国内外のポスドクの数が圧倒的に多くなってしまったこともあり、海外留学の経験がプラスに働くことは必ずしもないようです。
むしろ、国内に残って人脈を作ったほうがアカポジに有利であるという意見も多くあります。