ポスドク 悲惨

日本学生支援機構(育英会)の奨学金は実質700万円の借金

修士課程・博士課程と大学院生時代に日本学生支援機構(日本育英会)の奨学金を受けていたポスドクは多いと思います。
しかし、この奨学金は実質借金と同じで、返済しなければなりません。
つまり、給付ではなく、貸与なのです。
大学院生の5年間、奨学金を受けていたとなると、その総額は700万円にもなります。

 

昔であれば、大学の助手などの常勤ポジションに就職できれば、返済免除となっていたのですが、現在はその制度もなくなりました。
代わりに、現在では優秀な学生に対して返済を免除するということになっています。
しかし、大学院生か優秀かどうか、これは論文のインパクトファクター以上に評価の難しい問題だと思います。
大学院生の資質以外にも、いろんな要因が絡み合ってきますからね。
私としては、こんな評価しにくい基準で奨学金の返済免除の可否を決めるよりは、教育研究職につけば返済免除、という制度のほうがよほどクリアだと思います。

 

しかし、真に問題なのは、ポスドクという非常に不安定な身分(派遣社員のように期限がある+労働市場が狭いので全国(場合によっては海外も)転々とする必要がある)では、返済もままならないということです。
これはポスドクに限らず、一般の就職でも正社員として就職できなかった人にも当てはまります。
ただ、ポスドクの場合は学部卒に比べて返済額が圧倒的に大きいので悲惨です。